⑤胃カメラ検査の結果(機能性ディスペプシア闘病記)
はじめての方はこちらをご覧下さい。
⑤胃カメラ検査の結果
表層性胃炎とは
胃の粘膜の表面が炎症を起こし、荒れている状態のことです。
胃炎レベルで言えば、軽度にあたります。
そのため無症状のことが多く、胃カメラ検査をして発見されるパターンが多いです。人によっては鈍痛、胸やけ、不快感などが起きます。
(私の姉や夫も表層性胃炎でしたが、彼らは全く症状がありませんでした。)
原因として考えられるのは、カフェインや香辛料の刺激物、ストレスや疲れ、不規則な生活とも言われています。
自律神経の乱れで胃酸過多になり、炎症を起こすとも考えられています。
胃カメラ検査の診断結果は軽い胃炎だと聞いて、私はとても安心しました。
「ちょっと体調を崩しただけなんだな」
と思うと、何だか胃の調子も戻ってきたように感じました。
その日から少しずつ食べる量を増やし、これまで栄養不足気味だったことが気になっていたので、夕食は無理して食べるようにしました。
しかし胃の機能が低下した状態で、無理に食事を摂ることは厳禁です。
まだ機能性ディスペプシアの恐ろしさを知らなかった私は、やらかしてしまいました…。
症状悪化!!
これまで以上の吐き気と胃痛に襲われ、その夜、涙を流しながら悶え苦しみました。(私は嘔吐恐怖症です。)
その日からしばらく、固形物が喉を通らなくなってしまいました。
次回は、「⑥私の夕ご飯」について書きます。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
④胃カメラ検査のあと(機能性ディスペプシア闘病記)
はじめての方はこちらをご覧下さい。
④胃カメラ検査のあと
紹介状を持って大学病院で胃カメラ検査を受けたので、診断結果はかかりつけ病院宛の封筒に入れられました。
検査は眠って受けていたので、直接検査してくれた医師とは話すことができませんでした。
検査を受けたのは土曜日。
月曜の診察まで時間があり、この封筒の中にはどんな診断結果が書かれているのだろう?と、居ても立っても居られない気持ちでいました。
「間違えて開けてしまいました」
と言って開封してしまおうかとも思いましたが、それはそれで怖かったので断念しました。
このときの週末は、かなりモヤモヤと過ごしていたのを覚えています。
次回は、「⑤胃カメラ検査の結果」について書きます。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
③胃カメラ検査を受ける(機能性ディスペプシア闘病記)
はじめての方はこちらをご覧下さい。
③胃カメラ検査を受ける
胃カメラ検査は眠って受けました。
前処置として、小さな紙コップに入った喉の局所麻酔のお薬を飲みました。
病院によっては、スプレーや氷状にしたものもあります。
私が2回目の胃カメラ検査を受けたときは氷だったのですが、飴をなめるように口の中でゆっくり溶かすので、とても飲み込みやすくて驚きました。
局所麻酔のお薬は、カメラが入る際に咽頭反射を軽減するのに大切な役割を果たしてくれます。
味は甘味はなく、少し薬の苦味がするくらいでした。ごく少量なので、すぐに飲めてしまうと思います。(最近は味に工夫している病院もあるようです。)
飲むときは喉に行き渡るように、できるだけゆっくり時間をかけて飲むのがコツです。
私は口にふくませてから上を向いたりして、喉に少しでも浸透させるように飲みました。
4コマ漫画で書かれているように、本当に2杯目をおかわりし、3杯目もおかわりしようとしたときは止められました(苦笑)。
今考えると、2杯目をおかわりさせてもらえたのも凄いなあと思っています。
そのおかげか(?)、胃カメラ検査は文字通り苦痛なく眠っている間に終わっていました。
もし胃カメラ検査を躊躇されている方がいたら、ぜひ眠って受けられる検査をおススメします。
知らないうちに終わっていて、何を恐れていたのだろうと思うかも知れませんよ。
次回は、「④胃カメラ検査のあと」について書きます。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
②病院に行く(機能性ディスペプシア闘病記)
はじめての方はこちらをご覧下さい。
②病院に行く
一週間経っても症状が治まらなかったので、近くの内科を受診しました。
「ずっと気持ち悪く、胃がキリキリ痛いです。
食欲がないので、ほとんど食べられていません。」
と伝えたところ、
「夏バテですね」
と言われ、ひと通りの胃薬を処方されました。
薬を飲み続けましたが、一向に症状は改善されず、
「もしかしたら大変な病気なのではないか」
という強い不安に襲われました。
次の受診では、人生初めての胃カメラ検査をお願いし、大学病院の紹介状を書いてもらいました。
このときバリウム検査自体未経験でもあったので、いきなり胃カメラ検査を受けることは、恐怖でしかありませんでした。
(さらに私は嘔吐恐怖症でもあります。)
それでもQOL(生活の質)が急激に落ちてしまったことや、このつらい胃の症状は何が原因なのか分かるなら…という思いで、勇気を出して受けることにしました。
通っている内科では胃カメラ検査は実施していなかったので、医師から
「鼻からカメラを入れて検査するか、もしくは眠っている間に検査するか、どちらにしますか?」
と言われ、
「眠って受けたいです!」
と即答しました。
医師はその場で大学病院の予約と紹介状を書いてくれ、1週間以内には検査を受けることができました。
次回は「③胃カメラ検査を受ける」について書きます。
最後までお読み頂きありがとうございました。
①機能性ディスペプシア発症
はじめての方はこちらをご覧下さい。
①機能ディスペプシア発症
私が機能性ディスペプシアを発症したのは、2015年8月でした。
旅行から帰った夜、夕食後に強烈な吐き気に襲われました。
翌日になってもムカムカが続き、次第に刺すような胃の痛みを伴い、食欲不振に陥りました。
この数日前辺りから「何となく気持ち悪いな」という違和感はあったのですが、ときどき起こるくらいで、
「疲れのせいかも?」
「暑さのせいかも?」
と、あまり気にしていませんでした。
このとき機能ディスペプシアの正体を知らなかったので、すぐに治まるだろうと思っていたのですが、症状は日増しに悪化していきました。
娘は当時3歳で、幼稚園入っての初めての夏休みでした。
幸い、旅行後だったのが良かったのですが、それ以外は私の体調悪化で夏休みはどこも出掛けることができませんでした。
予定はすべてキャンセルして引きこもってしまったので、当時を思い出すと娘に対して胸が痛いです。
(幼稚園の毎日ひと言日記は、その日何をしたかを書かなければなりませんでした。真っ白というわけにはいかず、架空の思い出を書いて提出してしまいました。あの課題、親にとってはとてもプレッシャーだと思いました…。)
子供が幼少期に親が体調悪いということは、とても苦しく、また罪悪感に駆られてしまうものです。
ずっと寝てるわけにもいかないので、病気を抱えての育児は、本当にどちらも挫けそうになります(私よりもっと大病している人や、もっと身近に頼れない人も多いかと思います。どうやったらそういう人たちを救えるのだろうと途方に暮れてしまいます。)
親が病気しても治療に専念できるような場所やシステムがあればいいのに、と切実に思う日々です。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
次回は、「②病院に行く」を書きます。
「機能性ディスペプシアの4コマ漫画描きます!」宣言
私が6年間患った「機能ディスペプシア」について、4コマ漫画にしていきたいと思います。
(※機能性ディスペプシアとは、「内視鏡で観察しても粘膜に異常が認められない状態」なのに胃もたれ・吐き気・食欲不振・胃痛などが3か月以上慢性的に続くことです。)
機能ディスペプシアが改善している今だからこそ、当時を振り返りながら、悩んでる人たちのヒントになれたらという思いで立ち上げてみようと思いました。
最初はできるだけ時系列に描いていきます。
また機能性ディスペプシアを改善させるためにあれこれ試したことや、機能性ディスペプシアあるあるの日常を切り取っていきます。
これからどうぞよろしくお願いします☆
4コマ漫画ではありませんが、わたしが機能性ディスペプシア改善のために試したことの記事も参考にして頂けたら幸いです。↓
ときどき映画のレビューや暮らしのことなども挟む予定です。
とりあえず最初なので、登場人物の簡単な紹介を載せます。
※名前は仮名ですが、物語はすべて実話です。
※病気のことなど自分なりに調べたことを載せていきます。
第1話は「①機能性ディスペプシア発症」です。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
タイムトラベル映画10選≪洋画編≫
もし過去に戻れたら…、もし未来を覗けたら…。
そんな誰もが夢見るタイムトラベルのある世界に、映画は誘ってくれます。
複雑に絡み合う時間は濃密なストーリーを生み出し、思わぬ展開をみせてくれるので、スリルと興奮、そして感動を大いに味わわせてくれます。
今回は映画好きの私が、本当に面白かったタイムトラベル映画10選をご紹介します。
- プリデスティネーション
- バタフライ・エフェクト
- ルーパー
- オーロラの彼方へ
- ザ・ドア 交差する世界
- デジャブ
- きみがぼくを見つけた日
- オール・ユー・ニード・イズ・キル
- ジャケット
- バック・トゥ・ザ・フューチャー
プリデスティネーション
2014年製作/97分/オーストラリア
バーテンダーに自分の数奇な人生を語り始める客。うまくいくはずだったのに、恋に破れたことで地獄に転落したと途方に暮れています。聞いていたバーテンダーは未来からきた時空警察で、過去に戻って恋敵に復讐を果たすことを提案しました。
復讐を軸にして描かれるタイムパラドックスは、陰影に富んだ世界を描き出しています。
劇中交わされる「卵が先か、鶏が先か」の言葉を深くなぞりたくなるほどストーリーは秀逸で、人の生きる宿命を何層も絡め、驚くべきラストへ失踪していきます。
バイオリン型のタイムマシンが斬新でおしゃれでした。
バタフライ・エフェクト
2004年製作/113分/アメリカ
昔の日記を読み返すと、そのときの感情が掘り起こされ、過去に戻れるという特異体質を持った主人公。恋した幼なじみを亡くしたことで、これまで歩んできた運命を書き換えようとします。幼少時代に負ったトラウマ体験を防ぐことが鍵でしたが、何度やり直しても誰かが犠牲になり、うまくいきません。
人生とは、ちょっとしたタガが外れただけで大きく狂ってしまうものだと見据えたような作品です。夢見がちな「もしも」を打ち砕きますが、主人公の優しさが滲み出る濃密なストーリーは必見です。
幸せとは誰かの不幸とつながっているのかと思いながら観ていました。
ルーパー
2012年製作/118分/アメリカ
近未来。死体証拠を残さないために、犯罪組織はタイムマシンを悪用して標的を30年前の過去に送り込み、そこでルーパーと呼ばれる暗殺集団に殺害させていました。
ルーパーに属する主人公は、あるとき標的が30年後の自分が送り込まれたことを知りますが、迷いなく任務を遂行しようとします。
しかし未来の自分は、起きた過去を変えるために逃げ惑います。
同じ人間でありながら、現代と未来の思想は別であるという着想が面白い展開を生んでいます。
それぞれの信念を貫こうとする姿が複雑ですが、結末は語り継がれるほどの潔さを残しました。
ブルー・ウイルスが30年後の主人公を演じています。
オーロラの彼方へ
2000年製作/117分/アメリカ
父親を亡くした息子が無線機で交信した相手は、何と30年前に亡くなった父親だったという時空を超えた感動ドラマが見物です。
消防活動で命を落としたことを本人に伝え、何とか父親を救おう画策しますが、事態は思いもよらぬ波乱を呼び起してしまいます。
助けたくても手の出せない距離で、互いへのメッセージを送り続ける親子の絆に胸が熱くなってきます。
二転三転とするクライマックスはハラハラさせられますが、さわやかさに満たされます。
Yahoo!の株を買えというメッセージがユニークでした。
ザ・ドア 交差する世界
2009年製作/101分/ドイツ
娘を事故死で亡くした主人公は、己の不甲斐なさに悔む人生を送っていました。しかし不自然に佇んだドアを開けると、娘が事故死する直前の過去に戻ることができ、救出に成功します。
鉢合わせになった過去の自分を思わず殺してしまいますが、そこで過去の時間に留まることを決意する主人公。
「あのときに戻りたい」という願望を叶えたドラマが独創的で、面白い構成になっています。
失った時間を取り返そうとする主人公の葛藤に痛ましさもあります。
終盤、タイムトラベルの存在を知った者たちが狂信的な行動を起こしていき、ドイツ映画らしい奇妙なサスペンステイストへと変えていきます。
主演のマッツ・ミケルセンの抑えた演技がとてもクールです!
デジャブ
2006年製作/127分/アメリカ
爆破事件で犠牲になって運ばれた女性の遺体。捜査官の主人公は彼女を見て、不思議なデジャブを感じます。
一方、政府の抱える秘密組織では過去を遡れる監視システムが存在していました。事件の首謀者を捕まえるためにカメラの時間を巻き戻してくうち、被害女性を救おうと主人公が立ち上がります。
この映画がとにかく斬新で興味深いのは、「死んでしまった女性に恋した男」。
男が運命に逆らおうとしたときに発生したパラレルワールドが、息をのむほどの緊張感を与えています。
トニー・スコット監督とデンゼル・ワシントンの名コンビが仕掛ける映画は、常に一級品ですね。
きみがぼくを見つけた日
2009年製作/110分/アメリカ
自分の意思とは関係なく過去・未来へトリップしてしまう主人公と、それに翻弄される女性の苦悩に満ちた人生を描いています。
いつ、どこの場所へいくのか分からないので、毎回主人公は命がけで時空を超えなければいけません。
2人の再会は毎回奇跡のように繰り返されますが、だんだんと一緒にいたくても居られないもどかしさが積み上がっていきます。
タイトルに込められたメッセージが胸に響き、感動が広がっていきます。
珠玉のラブストーリーは、生涯忘れられない1本になるはずです。
オール・ユー・ニード・イズ・キル
2014年製作/113分/アメリカ
日本の小説「All You Need Is Kill」を映画化したトム・クルーズの主演映画です。
兵士経験のない広告マンが、ひょんなことから最前線の戦場に繰り出されます。冒頭20分であえなく主人公は討ち死しますが、そこで時間はリセット。目を覚ました主人公は何度もループして戦前へ向かい続けます。無限ループを断ち切るには激戦を生き残るしかありませんでした。
そんなゲームの世界に入り込んだような設定を観ていると、鑑賞者はプレイヤーの気分になっていくでしょう。弱腰だった主人公が少しずつヒーロー化していく姿をユーモラスに描き、怒涛のSFアクションを楽しませてくれます。
毎回死ぬシーンが衝撃的でした。
ジャケット
2005年製作/103分/アメリカ
1992年に生きる主人公は、戦争で負った治療目的のために精神病院に入院させられます。そこでは患者を遺体安置所に入れての荒治療が行われていましたが、何故か2007年にタイムワープしてしまうという不思議な空間になっていました。
15年後の世界で出会ったシングルマザーと恋に落ちますが、実は未来ではすでに自分が死んでいることを知ります。何故自分は死んだのか、彼女の運命はどうなるのかをミステリー調で盛り立てていきます。
胸を打たれる結末は、見逃せません。
主演のエイドリアン・ブロディの何とも言えぬ表情が印象的でした。
バック・トゥ・ザ・フューチャー
1985年製作/116分/PG12/アメリカ
すでに多くの人が鑑賞済みですが、タイムトラベル映画と言えば、やっぱりこの1本!
過去に戻ってしまったことで、塗りかえられそうな運命を必死で修正しようとする主人公。
その可笑しくスリリングな奮闘劇は、誰もが釘付けになりました。
60年代に生きる人々の素朴さと、ポップな80年代に生きる主人公のズレが最高にユーモラスです。タイムトラベルならではの変わりゆく運命の危うさもスリル満点。
未来へつながる時間が、ダンスパーティーで集結されていく流れが爽快です。
SF映画の王道中の王道映画は、世代を超えて愛され続ける名作です。
アン・ハサウェイの怪演ぶりが楽しめる映画『魔女がいっぱい』
あらすじ
1960年代、とある豪華ホテルに現れた、おしゃれで上品な美女。しかし、彼女の正体は誰よりも危ない邪悪な大魔女(グランド・ウィッチ)だった。この世に魔女は実在し、世界中に潜んでいる。いつまでも若く、おしゃれが大好きな魔女たちは、人間のふりをして普通の暮らしを送りながら、時々こっそりと人間に邪悪な魔法をかけている。そんな魔女たちの頂点に立つ大魔女が、魔女たちを集め、ある計画をもくろんでいた。そして、ひとりの少年が偶然魔女の集会に紛れ込み、その計画を知ってしまうが……。
引用元:映画com.
アン・ハサウェイの怪演が見事
この映画の見どころは、アン・ハサウェイの見事な怪演ぶり!もうそれに尽きる。
好みはあるにせよ、二次元の世界に出てくるようなルックスは、同性でも見惚れてしまうほどキュートで魅力的。黙っていれば、愛くるしいお人形さんだ。
そんなアン・ハサウェイを始めとするハリウッド女優たちは、自分のイメージを壊すことを恐れたりせず、役になりきったりする。
たとえみすぼらしい役や汚れ役だとしても、憑依したかのような見事な演じっぷりで、映画を何倍も面白くしてくれるのだ。
そして本作のアン・ハサウェイ。
子供たちをネズミにしてしまうという恐ろしい大魔女役を完璧に仕上げている。
特殊メイクを施し、クセのある巻き舌(ロシア語訛りを誇張するため)で喋り倒す姿は、何ともエキセントリックで圧倒的な存在感を放っている。
そこに加わる大袈裟な身振り手振りや、激しく変わる表情が実にコミカルで、これだけでもうお腹いっぱいになるほど作品の醍醐味を味わい尽くさせてくれる。
ゼメキス監督の安定の良質作品
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』を世に送り出したロバート・ゼメキス監督も、御年69歳(2021年現在)。80年代からスピルバーグと肩を並べ、安定した娯楽大作を生み出してきた。
ときどき小難しい映画を撮ることもあるが、スピルバーグと違って重厚すぎることもない。どれもハートフルを織り交ぜ、鑑賞後に心地よい余韻を残してくれる。
そんな子供から大人まで楽しめる作品の良質さは、今回も保証付きだ。
原作は、『チャーリーとチョコレート工場』で知られるロアルド・ダールだったり、製作と脚本が『シェイプ・オブ・ウォーター』を監督したギレルモ・デル・トロだったりするので、ダークファンタジー色も強い。
世界中の子供をネズミにしようと企てる魔女の異常な執念や、挟み込まれるブラックユーモア、そしてアクの強いキャラクターたちを観ていると、昔観た『永遠に美しく』を思い出す。あの美しさに取り憑かれた女たちの土壇場劇と似たものを感じて、懐かしくなる。
そして、絵面の強烈さも健在だ。
ゼメキス作品と言えば、ありったけの映像技術を駆使し驚異的な世界を表現する。
今回も魔女たちに仕掛ける罠や、ネズミから見た世界を楽しく奇妙に作り込み、ゼメキス作品の真骨頂が発揮されている。
意外なラストで感じたもの
※ここからネタバレ含みます。
おばあちゃんと孫のほのぼのとした関係が心温まる。
物語は主人公の少年の両親の死から始まり、少しショッキングだ。
しかし孫の面倒をみることになったおばあちゃんは、孫を立ち直らせようと得意の料理やダンスを披露し、少しずつ心を癒していく。
傷付いた子供にどう寄り添うか、そんなホームドラマチックな展開もひそかな見どころとなっている。
2人の愛情深い信頼関係は、魔女が出現するとさらに強まり、予期していなかった感動に思わずウルッとさせられる。
辿り着く結末をハッピーエンドとしてとらえるのは、少し難しいかも知れない。
だけど、幸せの定義は人によって違うもの。
主人公が自分の人生を英雄的に語り継いでいる、私はそこに注目したいと思った。
スイーツ移動販売の『洋菓子工房ZEN』に行って来ました!
1年に2~3回、ポストインされる『洋菓子工房ZEN』のちらし。
1日2時間だけの限定販売と、ほぼ半額というお得さ、そして美味しそうな洋菓子の写真がずっと気になっていたので、今回初めて行ってみました。
11時から販売開始でしたが、10分前に向かうと3~4組の人たちがすでに並んでいました。
大きなクーラーボックスにたくさんの洋菓子が詰められており、若い男女3人が忙しそうに販売していました。
前のお客さんがカゴいっぱい商品を入れていたので、私も勢いで「プレミアムロールケーキ」「特濃レアチーズケーキ」「抹茶ロールケーキ」「ストロベリームースケーキ」の4種類を買ってみました。↓
・プレミアムロールケーキ ¥1,080
・特濃レアチーズケーキ ¥950
・抹茶ロールケーキ ¥1,166
・ストロベリームースケーキ ¥1,296
冷凍販売のため、商品と一緒に解凍方法が書いてある説明メモを頂きました。
とっても親切ですね。
だいたい冷蔵庫で5~6時間ほど解凍すると良いそうです。
食べた感想
一番の人気商品です。
生クリームが贅沢なほどぎっしり詰まっています。
味は濃厚なミルク味ですが、甘すぎないのでいくらでも食べられます。
きちんと解凍すると、ふわふわとした生地の食感を味わえます。
【特濃レアチーズケーキ】
4号ホール。
ネーミング通り特濃でしたが、しつこさはありません。
さわやかに酸味がきいています。
【抹茶ロールケーキ】
抹茶の味がしっかりしていますが、苦味がやわらかめです。
大きめの小豆が生クリームとの相性抜群です。
抹茶好きの私は、今回買った中で一番でした。
【ストロベリームースケーキ】
4号ホール。
イチゴのつぶつぶ感が楽しめ、甘酸っぱさがこってりしたムースとよく合います。
半解凍で食べると、シャリシャリとした高級アイス感があります。
まとめ
怪しくて感じて今までちらしをスルーしていましたが、今回勇気を出して行ってみて良かったと思います。
買った商品はどれも美味しく、2週間経った今でも冷凍庫に入っています。
冷凍保存なので少しずつ味わって食べられるのがいいなと思いました。
コロナ禍の自粛中で、ちょっとした楽しみを味わえたので、またポストインされていたら行ってみようと思いました。
映画『サウルの息子』センセーショナルなアカデミー賞受賞作品
アカデミー国際長編映画賞第88回受賞作品。
第68回カンヌ国際映画祭ではグランプリを、第73回ゴールデングローブ賞では外国語映画賞を受賞。
2015年製作/107分/G/ハンガリー
あらすじ
1944年10月、アウシュビッツ=ビルケナウ収容所。ナチスにより、同胞であるユダヤ人の死体処理を行う特殊部隊ゾンダーコマンドに選抜されたハンガリー系ユダヤ人のサウル。ある日、ガス室で生き残った息子と思しき少年を発見したものの、少年はすぐにナチスによって処刑されてしまう。サウルは少年の遺体をなんとかして手厚く葬ろうとするが……。
引用:映画.com
センセーショナルな受賞作品
映画好きの私は、とりあえずアカデミー賞とカンヌ国際映画祭で評価された作品は観ておきたいというポリシーがある(未鑑賞の作品もあり)。
その中でも「アカデミー賞国際長編映画賞」(旧:アカデミー賞外国映画賞)は、わりと私好みな作品が多く、アカデミー賞作品より注目していたりする。
そして、2016年の受賞作品を鑑賞。
あらすじでイメージした通り、やはりセンセーショナルな内容だった。
時に映画は、心をえぐるような歴史問題を紐解き、人間の狂気を浮き彫りにすることがある。
特に人類最大の悲劇を描いたホロコーストは、人の絶望や残酷性を突き付けてくるため、心して観なければならない題材だ。
そして本作。
私なりに数多くのホロコースト作品を観てきたつもりだが、あまりの凄まじさに何度も息をのんでしまった。
人によっては、観たことを後悔するかもしれない。
何故なら、アウシュヴィッツ強制収容所の最も恐ろしい現場を描き出しているからだ。
それでも多くの映画賞に輝き、高い評価を得た。
観た人の心に強烈な想いを走らせのは、間違いない。
サウルの見る風景
主人公のサウルはゾンダーコマンドの1人だ。
ゾンダーコマンドとは、ナチス親衛隊によって強制収容所にいるユダヤ人を集めた労務部隊のことをいう。
部隊は、ガス室などで殺されたユダヤ人の死体処理を強制される。
自分も死体の山の一部となることを恐れながらも、ゾンダーコマンドに任命された者は、他のユダヤ人より少し長く生きることができる。
おおよそ3か月~1年。
ナチスの気まぐれな指令で期間が異なるが、その後、容赦なく抹殺される。
そんなゾンダーコマンドとして働くサウルに、カメラはピッタリ寄り付いて追っていく。
背景をクローズアップすることはない。サウルの表情や後ろ姿で、「何が起きているか」想像を掻き立たせるように見せていく。
そのぼんやり霞められた映像手法は、サウルの虚ろな瞳から見る風景のようにも見える。
映画が最後に描いたもの
※ここからネタバレ含みます。
「息子をきちんと埋葬したい」
ガス室で犠牲になったユダヤの少年を見たとき、サウルの心が動いた。
ナチスの残虐行為で、地獄絵図のような光景を毎日目の当たりにしてきたサウルは、すでに正気を失っていたのかも知れない。
あの手この手で収容所からの脱出を計ろうとするが、どれも無謀すぎて、まるで取り憑かれた人間のようにも見える。
実は少年が本当の息子なのか、分からない。
しかしそんなことはどうでも良かった。
埋葬することが使命であり、彼の見つけた小さな救いだったのだろう。
一片の迷いもなく突き進むサウル。
その姿は、死と恐怖に屈しない気高さに溢れたものを感じる。
重々しく陰惨として病みそうになる作品だが、最後のサウルの微笑みが目に焼き付いて離れない。
大どんでん返し映画10選≪洋画編≫
1度観ただけで終わりにするなんてもったいない!
2度目からが面白くなる、大どんでん返し映画。
騙されたときのあの何とも言えない爽快感は、病み付きになりますよね。
今回は映画好きの私が驚きと感動に包まれた「大どんでん返し映画10選」をご紹介します。
- シャッター・アイランド
- グランド・イリュージョン 見破られたトリック
- シックス・センス
- ピエロがお前を嘲笑う
- ファイト・クラブ
- 鑑定士と顔のない依頼人
- ユージュアル・サスペクツ
- メメント
- アーカイヴ
- プレステージ
シャッター・アイランド
2010年製作/138分/PG12/アメリカ
マーティン・スコセッシ監督とレオナルド・ディカプリオ主演による4作目は、緻密に練り上げられたストーリーが見事なミステリーサスペンスです。
海で囲まれたシャッターアイランド(孤島)にある精神病院。脱走した患者の行方を追うためにやってきた保安官2人が、島の謎に迫っていきます。苦悩する患者たちの姿を見て何かが仕込まれていることに気付き、不信感を募らせます。
しかし陰謀を見破ったとき、受け入れがたい事実が待ち受けていました。後半に向かって深まる謎が、緊迫感をあふれさせています。
驚き度★★★★
最後の主人公の言葉に注目してみてください。
グランド・イリュージョン 見破られたトリック
2016年製作/130分/G/アメリカ
4人のマジシャンが集結し、冒頭からド派手なイリュージョンの世界に心躍らせてくれます。ショーで繰り広げられる大掛かりなトリックがとにかく圧巻で、驚嘆の嵐に包まれていくでしょう。
犯罪スレスレの行き過ぎた演出のせいでマジシャンたちは指名手配されてしまいますが、彼らの真の目的は大手企業の陰謀を暴くことでした。
最後のトリックを見破ったとき、ゾクゾクするほど爽快感を味わえます。
怪しいと目星をつけていたあの人ではなく、意外な人物が浮上しますよ。
驚き度★★★★
シックス・センス
1999年製作/107分/アメリカ
M・ナイト・シャラマン監督を一躍有名にさせた作品。
ホラーにジャンル分けされますが、泣ける名作としても評価を得ました。
幽霊が見えてしまう少年は自分の特殊能力に脅えていましたが、小児精神科医との対話によって心を解き放していきます。
ホラーなので突如として出現する幽霊たちに驚かされますが、彼らの哀しい物語に注目すると、ストーリーの本質が見えてくるでしょう。
ラストの衝撃は、切なさで溢れかえります。
驚き度★★★★★
実は観返すと、叙述トリックの嵐なんですよね。
ピエロがお前を嘲笑う
2014年製作/106分/PG12/ドイツ
ハッカー集団「CLAY」のメンバーに誘われた主人公。有名になるために金融業界やポルノサイトをハッキングし、世間を震撼させます。やがてハッカー集団の頂点にある「MRX」が近付いてきて、ハッカー集団同士のせめぎ合いへと発展し、殺人事件まで起きてしまいます。
サイバースリラーならではの凝った空間表現の映像を楽しみながら、真実がどこに隠されているか目が離せません。
ドイツで作られた二転三転するオチに、奇妙な快感を覚えます。
驚き度★★★★
「100%見破れない!」というキャッチフレーズがピッタリでした。
ファイト・クラブ
1999年製作/139分/PG12/アメリカ
満たされない日々を送っていた主人公は、危険な男と出会ったことで、壮絶な暴力の世界へと誘われていきます。殴り合うたびに「生への実感」を味わうと、これまで抑えられていた感情が爆発。やがて共鳴する者たちが集まり、『ファイト・クラブ』を結成します。過激化した仲間たちはテロリズムへと走り、街を混沌とさせます。
鮮血激しい暴力シーンが強烈ですが、不安な社会へのメッセージも隠されています。
危険な男を演じるのがブラッド・ピットというのも、映画のオチを知ったとき最も納得するかも知れません。
驚き度★★★★
当時、サブリミナル効果も話題になりました。
鑑定士と顔のない依頼人
2013年製作/131分/PG12/イタリア
『ニュー・シネマ・パラダイス』の名匠ジュゼッペ・トルナトーレ監督によるミステリーは、人の深層心理をうまく付いた傑作です。
両親の資産を受け継いだ令嬢の家に、美術品鑑定士として訪れた主人公。彼女の強い要望で依頼を引き受けたというのに、「人と会うのが怖い」という理由で一向に姿を現わそうとしません。そんな謎めいた彼女の神秘性に興味を持ったとき、男の中に不思議な感情が目覚めていきます。
エンディングは、悲喜こもごもとした人生を見つめさ、感傷的な余韻を残します。
驚き度★★★
ユージュアル・サスペクツ
1995年製作/105分/アメリカ
これなくして大どんでん返し映画を語れない、まさに映画史に名を刻んだサスペンスの一級品です。まだ観ていない人が羨ましくなるほど、映画の神髄をとことん味わわせてくれます。
ストーリーは、密輸船爆破襲撃事件で生き残った主人公が、尋問室でこれまでの経緯を回想しながら事件の真相に迫っていきます。
伝説の悪党カイザー・ソゼの命令によって5人の前科者が集められ、宝石強奪を企てます。しかしマフィアとの激しい銃撃戦で、事態は思わぬ大惨事となります。
誰もが恐れるカイザー・ソゼとは何者なのか。
ラストはゾクゾクとした驚きと感動を覚えますよ。
驚き度★★★★★
メメント
2000年製作/113分/アメリカ
クリストファー・ノーラン監督の衝撃的な出世作。予想不可能で大胆なストーリー構成は、謎だらけで誰もが引き込まれます。
妻殺しの犯人捜しをする主人公は、10分しか記憶できない前向性健忘症です。
ストーリーは主人公のその曖昧な記憶をたぐり寄せていくので、過去・現在が入り混じります。真実が見えそうになってもリセットされてしまう映像。観ている方は、主人公の記憶探しの疑似体験をしているような感覚になります。
何度観てもまた観たくなる、巧妙な仕掛けが圧巻です。
驚き度★★★★★
過去記事のレビューです。↓
アーカイヴ
2020年製作/109分/G/イギリス
ひっそりミニシアターで公開された作品ですが、見逃すのはもったいないほどの予想外なオチが用意されているので必見です。
人型アンドロイドを開発するために山里にある施設に籠る主人公。ひそかに事故死した妻の記憶をアンドロイドに構築し、生き返らせようとしていました。しかし旧型のロボットが嫉妬するようになり、暴走しだします。また会社のデータを違法に使用していたことで施設は閉鎖に追い込まれ、窮地を迎えます。
ラストに全てが明かされたとき、果てしない人の想いの深さを知り、喪失感にうなだれるかも知れません。
驚き度★★★★
ストーリーとはあまり関係ありませんが、舞台が日本の山梨県なのも良かったです。
プレステージ
2006年製作/130分/アメリカ
クリストファー・ノーラン監督が仕掛ける華麗なトリックが見物です。
マジックに人生を懸けた2人のマジシャン。ショーの最中に起きてしまった事故をきっかけに、互いへの異常な復讐心に支配されていきます。
どちらが真の勝者となれるのかは、瞬間移動のイリュージョンへの成功が鍵となります。やがて禁断の領域に踏み入れると、SF風な展開へと広がります。
犠牲によって掴んだものは何だったのか、最後のプレステージで明かされます。
驚き度★★★
「機能性ディスペプシア」最近の様子
私が2015年に発病した「機能性ディスペプシア」。
今回は最近の様子について書いていこうと思います。
そもそもこのブログを始めたきっかけは、機能ディスペプシアの完治をめざすことでした。
人は「好きなこと」「夢中になれること」を続けていると、心身ともに健康になれると本やTV、ネットなどで学んだので、映画好きの私は映画ブログを作ってみようと思いました。
そして当時、同じように機能性ディスペプシアに悩んでいる人のブログが支えになっていたので、自分の経験談が誰かのヒントになればと思ったのもきっかけの1つです。
私と機能性ディスペプシア
機能性ディスペプシアの症状が最も重かったのは、発症した2015年の夏です。
食事をしても、しなくても気持ち悪く、四六時中吐き気に悩まされていました。
QOL(生活の質)は著しく落ち、人付き合いや週末の家族との過ごし方も大きく変わりました。
まともに食事がとれなかったので、体重もみるみる落ちていきました。
そこで当時、体質改善など試みた記事です。
機能性ディスペプシアの厄介なところは、良くなったり悪くなったりを繰り返し、クスリの種類や量が変わっていき「難治性」へと悪化するところです。
難治性になると症状は複雑・長期化し、何十年も悩まされることもあります。
自分に合った改善法が必ずあるはずなので、あきらめずにいろいろ試してみて下さい。
最近の様子
最近は、気持ち悪さを感じる日はほぼありません。
食事については、機能性ディスペプシア発症前と近い状態に戻っています。
「ごはんが美味しい」と感じられる日も増え、幸せを感じています。
怖くて食べられなかったコロッケや天ぷら、ドーナツなどの脂ものも臆することなく食べられています。
服用していたクスリ(タケプロン、六君子湯、アコファイド、ガナトン、ナウゼリン、百草丸)も半年以上飲んでいません。
今も続けていること
何しろ6年近く機能性ディスペプシアに苦しんできたので、再発することをとても恐れています。
あんな日にはもう戻りたくないという一心で、今も続けていることがあります。
・ヨガ
・ラジオ体操
・好きなこと、夢中になれることをする
・ストレスを感じる人付き合いをシャットアウト
どれもごくシンプルです。
・ヨガとラジオ体操はセットにし、YouTubeを見ながら続けています。
なるべく背骨が刺激され、自律神経が整うようなヨガを取り入れています。
・好きなことは「映画鑑賞」、夢中になれることは「書くこと」などで、このブログが機能性ディスペプシア改善のお手伝いをしてくれていると信じています。
・「ストレスを感じる人付き合いをシャットアウト」は、コロナ禍となった今だからこそ実現できたかも知れません。
私の場合、子供関係の親付き合いと、親戚付き合いでした。
それでも交流せざるを得ない日もあり、そんなときは数日経ってから食欲減退や吐き気を感じる日もあります。以前と違うのは、数日で症状が消失するところです。
機能性ディスペプシアに思うこと
機能性ディスペプシアの原因は、加齢や心因性、遺伝性、生活習慣の乱れなど、さまざまな原因が考えられます。
治療法も確立されたものはありません。
命に関わる病気でないからと、医師や周りからも軽視されがちでもあります。
でも長引く症状で、やりたいことができなかったり、食べたいものが食べられなかったりする日々を続けていくと、心身ともにボロボロになってしまいます。
他の病気を誘発する原因にもなりかねません。
私の経験が少しでもお役に立てたらと思い、まとめ記事と、半年後の様子を記録してみました。
まとめ記事の「機能ディスペプシア改善のために試したこと④」では、私のこれまで試したことのまとめと結論を書いています。
機能性ディスペプシアに悩む人が、1日でも早くもとの日常に戻れることを願っています。
映画『わたしは、ダニエル・ブレイク』コロナ禍の今こそ観ておきたい
2016年製作/100分/G/イギリス・フランス・ベルギー合作
あらすじ
イギリス北東部ニューカッスルで大工として働くダニエル・ブレイク。心臓に病を患ったダニエルは、医者から仕事を止められ、国からの援助を受けようとしたが、複雑な制度のため満足な援助を受けることができないでいた。シングルマザーのケイティと2人の子どもの家族を助けたことから、ケイティの家族と絆を深めていくダニエル。しかし、そんなダニエルとケイティたちは、厳しい現実によって追い詰められていく。
引用元:映画com.
コロナ禍の今と重なる社会の縮図
陰鬱な映画かも知れない。
結末も釈然としない思いに駆られる。
何せイギリスの巨匠ケン・ローチ監督作品だ。これまで社会的弱者に寄り添い、現実世界の厳しさを映画で訴え続けていた。
そして今回は、国の支援を必要としているのに受けられない人たちに焦点を当てた。
心臓病で働くことを止められた主人公ダニエルと、シングルマザーのケイティ。
それぞれ失業給付金の申請をするも、時間通りに来なかったことや、「まだ働ける」と審査されたことで申請を拒まれてしまう。
何度申請しても、役人たちはマニュアル通りに対応するだけ。
また高齢のダニエルに、「書類手続きはインターネットから」と突き返す。
自国(イギリス)の福祉制度の面倒なシステムや、非人道的な役人たちの態度が、貧困に苦しむ人々をさらに追い込んでいく…。
コロナ禍の今、思いを重ねる人も多いかも知れない。
社会活動を制限され、支援を必要とする人々。そんな彼らに、今の日本はしっかりとした補償を打ち出せず置き去りにしている。
国は違えど、弱者を切り捨てる社会の縮図が見えてきて、いたたまれなくなる。
フードバンクでの一幕
恥ずかしながら、フードバンクの実態をよく知らなかった。本作を機に、その活動について興味を持つようになった。
フードバンクとは生活困窮者に、食料品や日用品を支給するボランティア団体のことだ。
(日本でも2014年頃から正式に活動しているらしいが、認知度は低い。)
イギリスはコロナ禍の影響もあり、利用者が急激に増えているらしい。しかし誰もが利用できるわけではない。医師やソーシャルワーカーの認定後、登録カードが必要となる。
映画では、このフードバンクが提供する倉庫で、強烈な場面を描く。
シングルマザーのケイティが並べられた缶詰めを見て、思わずその場で開封し口にしてしまうのだ。
空腹からくる衝動で、完全に理性を失くしていた。
我に返って泣きじゃくるケイティを観て、気丈にふるまいながらも、自分の惨めさに押しつぶされていく姿が胸を締め付けた。
ケイティの心の叫びが聞こえてくるようでした。
映画が届けたメッセージ
この映画では、ダニエルの起こす行動にメッセージが込められている。
高齢なうえに持病を抱え、生活にも余裕のないダニエル。
それでもケイティを救おうと小さな親切を重ね、支え合うことの大切さを訴えている。
今、身近で起きている悲劇に気付こう。
助けを必要としている人たちに、手を差し伸べよう。
小さな働きかけで、誰かを救えるかも知れない。
ケン・ローチ監督が引退宣言を撤回してまで打ち立てた作品が、胸に響いてくる。
実は日本では、本作を提供する株式会社バップ、有限会社ロングライドが中心になって「ダニエル・ブレイク基金」を設立した。
映画の上映権を保有する30年間の間、収益(DVDやブルーレイ、テレビ放映、配信など)の一部を貧困に苦しむ人々に寄付することとなっている。
誰もが明日の身など分からない今こそ、観ておきたい映画だと強く思った。
劇場公開中は、限定的に観客から缶詰めの寄付を募っていたようです。
映画『ガタカ』夢を共有した友情に心揺さぶられる
1997年製作/106分/アメリカ
あらすじ
遺伝子操作で生まれた“適性者”が社会を支配する近未来。自然出産で誕生したビンセントは、“不適正者”として冷遇される人生を歩んでいた。彼は幼い頃から宇宙飛行士を夢見ていたが、それは適性者のみに許される職業だった。ある日、ビンセントはDNAブローカーの仲介で、下半身不随となった元水泳選手ジェロームの適性者IDを買い取る。ジェロームに成り済まして宇宙局「ガタカ」に入社したビンセントは、努力の末についにタイタン探査船の宇宙飛行士に選ばれるが……。アンドリュー・ニコルの監督・脚本デビュー作。
引用元:映画com.
今回は1997年の少し古めの映画です。
私の好きな映画ベスト20以内に入るので、書き残したく記事にしました。
劣等感への悔しさと怒り
「できない」「無理」を両親に言われ続けてきた主人公ビンセント(イーサン・ホーク)。
当然かもしれない。
優秀な遺伝子を持つ弟に比べたら、ビンセントは病気のリスクもあれば、学力や身体能力も劣っている。
自然出産で生まれたビンセントがいくら足掻いても、遺伝子操作された弟にかなうはずがない。
小さなうちから兄弟で優劣を付けられ、どれほどの敗北感を抱えて大人になったのか想像できる。
自分より優秀な人間が近くにいれば、誰もが自身の限界を知る。
大抵の者は、選択肢の狭められた人生を宿命として受け入れると思う。
だけどビンセントは言い放った。
「僕に何ができて何ができないか、決めつけるな! 」
彼は科学の力を超えた自分の可能性を信じようとしていた。
社会的不適正者としてずっと冷遇を受けてきたことへの悔しさや怒りが、その気持ちを加速していったように見える。
夢を共有した友情
ビンセントに協力したのは、事故で下半身不随となったジェローム(ジュード・ロウ)だった。
ジェロームは宇宙飛行士として適正な遺伝子を持つ自分のIDを提供し、それを持ってビンセントはガタカ社に潜入することができた。
お互い最初こそビジネスの関係だったが、いつしか夢を共有し、なくてはならない存在へと変わっていく。
これこそ映画の最大の見どころだと思う。
正体を暴かれまいとする2人の執念は凄まじいものを感じる。
ビンセントは毎朝体毛を落とし、職場でも毛髪や皮脂が落ちないよう注意を払う。激しいトレーニングが苦しくとも、何食わぬ顔を装い、優秀な人間を演じ続ける。
一方のジェロームは、ガタカ社提出用のために、自分の血液や尿のサンプルを採取し続ける日を送る。
突然自宅訪問しに来た捜査官の前では、健康体の自分を必死で演じる。動かない下半身でリビングのソファーに自力で座ろうとする一幕は、ジェロームの気迫が溢れていた。
何者にも邪魔されまいとする2人の並々ならぬ信念が、胸を熱くさせる。
夢の果てにみるもの
※ここからネタばれ含みます。
身分詐称してまで果たそうとした「宇宙飛行士」への道。
ビンセントは果てしない宇宙に、ひたすら夢を馳せたのだろう。
心臓疾患を持っているビンセントは、宇宙から戻ってくることができないかも知れない。夢を果たすということは、身を滅ぼすことにもつながっているようで、その決意と覚悟に胸が締め付けられる。
ジェロームにとっても同じだ。
ビンセントが夢に近づくたびに、自分の存在意義を見失っていくのを感じる。
しかし2人には、決然としたものがある。
不可能への挑戦。
たとえその後に何が起きようと、突き進むことが人生の答えとしたのだと思う。
SF映画にジャンル分けされるが、まぎれもなく人生賛歌の作品だ。
迷う人や自信をなくした人へのエールが感じられる。
そしてラストに残す余韻が格別で、いつまでも酔い痴れていたいと思ってしまう。
ファイザーワクチン、1回目と2回目の副反応は?
今回はファイザーワクチンを2回打った私の実体験を書きます。
副反応は人によって違うので、1つの参考になればと思って記事にすることにしました。
ファイザーワクチン1回目の副反応は?
インフルエンザワクチンを毎年受けていますが、それとは比べ物にならないくらい打った時の痛みは全くありませんでした。
巷ではワクチンで亡くなる人の話も出ていたので、ワクチンを打った日は体がどんな反応を起こすか不安で仕方ありませんでした。他のことを考えようとしましたが、少しずつ腕の痛みを感じるようになり、気になって仕方ありませんでした。
ワクチン1回目レポート
16時 ワクチン接種
20時頃 腕の痛みを感じるようになる。筋肉痛に似ている。着替えがしづらい。
2日目 腕を上げるのが辛い。洗濯物を干すことが苦痛。重い荷物が持てない。
3日目 腕の痛みがわずか残るが、その翌日から気にならなくなる。
腕には、特に赤みや発疹など出ませんでした。
ファイザーワクチン2回目の副反応は?
2回目接種を終えた人たちが次々と副反応のつらさを語っていましたが、1回目が腕の痛みくらいだったので実は自分の2回目の副反応は大したことないのではないかと思い始めていました。
とりあえず準備したものは下記の通りです。
前日までに準備したもの
-
冷えピタ
-
鎮痛剤
-
栄養補給食品
-
スポーツドリンク
-
即席スープ
-
そのまま焼かなくても食べられそうなパン
-
ゼリー
-
プリン
-
くだもの
-
冷凍うどん
あとは、カップ麺を用意しておけば良かったと思いました
ワクチン2回目レポート
16時 ワクチン接種。1回目の接種より、打った時の痛みを感じる。
21時頃 体が熱く感じて熱を計るも平熱。怠さなどないため、いつもと変わらず夜12時頃就寝。
2日目朝7時 体が熱くて目覚める(実は夜中から熱さを感じていた)。熱38度。腰から下がやたら痛い。特に腰はだんだんと砕けるような痛みを感じてくる。座っているのがつらく、簡単な朝食(パンと果物)で済ませる。
昼間 風邪の熱とは違うので、食欲はあまり落ちない。しかし体中の節々の痛みで食べる気が失せてしまう。おにぎりとスープのみ。
熱38.5度。横になると、まるで底なし沼に落ちていくような倦怠感。足首がやたら痛い。
暑いのか寒いのかよく分からず、エアコン27度設定で、薄めのかけ布団で眠る。眠っているときは気絶したように眠り、記憶がない。
夕方18時頃 熱38度続く。唐揚げとごはんを少し食べる。ゼリーやプリンなどがやたら美味しい。痛みと怠さに我慢できず、このとき初めて解熱剤を服用。
夜19時過ぎ 解熱剤のおかげか、体の怠さが楽になる。熱37.2度。腰や関節の痛みは続いている。
夜中 体の熱さを感じず眠れる。
3日目 起床後、2回目打った人がよく言っていた言葉そのまま「嘘のように」体が元に戻ったのを感じた。熱、怠さ、関節の痛みなし。腰痛が残るのは寝すぎのせい?
いつもの日常のように過ごせる。ただ、機能性ディスペプシアの私は、やはり食欲が落ちてしまっている。
4日目 腰痛なし。やはり3日目より元気を感じる。腕の痛みは少し残っている。食欲も戻り始める。
5日目 腕の痛み、まだ残るもほぼ気にならない。食欲戻る。
副反応は想像以上に辛さを感じ、コロナを疑似体験したような1日でしたが、インフルエンザほどではないと思いました。
インフルエンザは熱と倦怠感、関節痛以外に悪寒、鼻水、咳、喉の痛みがあり、食欲もありません。かなり体力が消耗しますが、副反応は1日~数日で終わります。
人によって個人差はありますが、インフルエンザ経験者なら恐れるほどではないのではないかと思っています。
ファイザーワクチンを打ち終えて
とっても怖かったワクチン接種。
実は今でも怖い。このワクチンがこれからどうやって体に反応を起こすのか、考えるだけで不安に駆られたりもします。
できるなら打ちたくなかったワクチンを打ったのは、理由があります。
今年3月、職場でコロナ陽性者が出たとき私は自宅待機となりました。
2日後に発熱したのでPCR検査をしましたが、陰性でした。だけど発熱してからPCR検査の結果が出るまで5日もかかり、その間「自分はコロナかも…」と思って過ごした時間の恐怖を忘れられませんでした。
子供はまだ小さいので、このまま死ぬわけにはいかないと思いました。
3月はワクチン否定派も多かった頃ですが、その時の私は「もし予約できたら、絶対ワクチン打とう」と心に決めていました。
それでも7月に1回目を打つまでに、何度か迷いも出たのが本音ではありますが…。
ワクチンを打つことが正解かどうか、今は分かりません。
ワクチン打った人も、打たなかった人も、この先後悔することがないことを願うばかりです。
今回もお付き合い頂き、ありがとうございました。