⑱あと一口の苦しみ(機能性ディスペプシア闘病記)
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⑱あと一口の苦しみ
あと一口。
機能性ディスペプシア患者にとって、この一口が後悔を生むことがあります。
なかなか思い通りに食が進まないため、体重が落ち、栄養面も心配になってきます。
そうなると少しでも食べれるときに食べようと頑張りがちです。
でも最後の一口と思って食べたものが胸焼けや胃もたれを引き起こし、しばらく続く吐き気と戦わなければなりません。
「あのとき無理をしなければ…」
私もこれまで何度も悔やんできました。
食事中につらいと思って食べる最後の一口には注意が必要です。
もしかしたら、それがその食事の辞め時もしくは休み時なのかも知れません。
常に早期満腹感があるのでいつが辞め時なのか、そもそも食べ始める瞬間から辞め時かも知れないので、見極めが難しいところですが…。
機能性ディスペプシアの食事の仕方3つ
6年近く機能性ディスペプシアを患った私が、食事中に工夫したことです。(消化に良いものや、よく嚙んで食べる、冷たいものは避けるは基本中の基本なので割愛します。)
◆できるだけ同じ時間に食べ、完食を目指さない
食欲がなくても、とりあえず朝昼夕をできるだけ同じ時間に最初の一口を食べてみます。
そこで胃の蠕動運動が始まり、思ったより食べられるときもあります。
この同じ時間というのは、体内リズムを整え、胃腸の調子を整えやすくするからです。
食べている途中「さっきより無理してる」と思い始めたら、私は潔く箸を止めるようにしました。
きっとそれが今回の胃の限界値。
ここで無理をしてしまうと後がつらくなることを体験してきたので、無理をしない食事を心がけるように気を付けました。
◆食事に集中しすぎない
視覚や嗅覚で楽しみながら食事をすると消化能力が高まるとされていますが、機能性ディスペプシア患者の場合、食事をすることがストレスになっていたりします。
「吐き気が起きないだろうか」「せめてこれくらいは食べなければ」と、ネガティブな思考やプレッシャーが襲ってきて、食べることがますます苦痛になってきます。
私は食事と向き合うのを避けるため、お行儀が悪く恐縮ですが、好きなTV番組を見ながら食べるようにしていました。
ながら食べは良くないと分かっているのですが、私の場合、食事以外の方に意識を向けると食べられたりしました。
でも暗いニュースやドラマだと消化能力が落ちてしまうので、できるだけ楽しい番組を選びたいところです。
◆背筋を伸ばす、もしくは途中で立つのもあり
猫背になると胃腸が圧迫され、消化・吸収が悪くなりがちです。
胃腸の圧迫は胃下垂や胸焼けの原因にもなるので、食事の時はより気を付けたいところです。
でもあまりにもピン!とし過ぎても満腹中枢が刺激されてしまうので、背中が丸くならない程度を心がければ十分だと思います。
そして。
機能性ディスペプシア患者は、食事中に逆流しそうになるときもありますよね。
そんなときはもう立ってしまいましょう。
知っていましたか?
座っているよりも立った方が、食べ物をスムーズに胃から腸へと降りやすくなるんです。他の臓器などに邪魔されず通り道ができるため、身体にとっても良いことなんだそうです。
ただこちらも満腹感を得やすい(ダイエットには効果的)ため、私は食事後半に実践していました。
外出先ではなかなかできませんが…。
機能ディスペプシアで食べられない人へ
機能性ディスペプシア時代、私はいつも満足に食べられないことに後ろめたさを感じてきました。
でも今日は食べられなくても、明日は今日より食べられるかも知れません。
明日も食べられなくても、一週間後は今よりマシかも知れません。
この先もしばらく、良くなったり悪くなったりを繰り返すかもしれませんが、自分の症状のパターンが見えてきます。
自分に合った対策を見つけて、無理をしない優しい食事を心がけてみて下さい。
千里の道も一歩から。
改善に向けてあれこれ試していけば、少しずつ少しずつ、回復に向かうと信じています。
機能性ディスペプシア患者さんや胃の不調で苦しむ人たちが、以前の生活を取り戻すことができますように。
次回は、「⑲我が家のキッチン」について書きます。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
是枝裕和監督の挑戦的な日本風フランス映画『真実』
フランスの国民的大女優ファビエンヌが自伝本「真実」を出版し、それを祝うためという理由で、アメリカに暮らす脚本家の娘リュミールが、夫でテレビ俳優のハンクや娘のシャルロットを連れて母のもとを訪れる。早速、母の自伝を読んだリュミールだったが、そこにはありもしないエピソードが書かれており、憤慨した彼女は母を問いただすが、ファビエンヌは意に介さない。しかし、その自伝をきっかけに、母と娘の間に隠されていた愛憎渦巻く真実が次第に明らかになっていく。
引用元:映画com.
是枝監督の挑戦的な映画作り
『万引き家族』でカンヌ国際映画祭パルムドールを受賞した是枝裕和監督。
今度はパリを舞台にカトリーヌ・ドヌーブ、ジュリエット・ビノシュ、そしてイーサン・ホークを起用してフランス映画を撮りました。
カトリーヌ・ドヌーブ、さらにはジュリエット・ビノシュというフランスの大女優を共演させただけでも凄いことなのに、フランス人の、それも芸能一家の家族問題を見つめた脚本を是枝監督自身が書いたというから驚きです。
聞けば「現地ではこういうことはない」「こういう言い回しはない」などの指摘を受けて何度も修正が加えられたようです。
監督はフランス文化に精通しているわけでも、フランス語が流暢に話せるわけでもありません。
フランス人の製作スタッフが多く参加したとしても、馴染みのない国で完全オリジナルドラマを撮るということは、日本人としても映画人としても、かなり挑戦的な映画作りだったことが伺えます。
そしてカトリーヌ・ドヌーブの役柄にも注目したいところです。
引退間近のプライド高い大女優役を演じているのですが、
「日常なんてどうだっていい」
とアンニュイな表情で呟くその姿は、ドヌーブの実像のイメージと重なって見え、失礼ながら彼女のために書かれた脚本ではないかと疑ってしまいました。
本人は役と切り離していたようですが、観る側からしたら是枝監督の勇気に絶賛したくなる配役です。
本作はセザール賞外国映画賞を獲得しています。
やっぱり素敵なイーサン・ホーク
フランスの大女優の母と脚本家の娘、そこに娘婿として登場するハンク(イーサン・ホーク)の存在が絶品です。
ハンクはフランス語が話せないため、しばし会話から置き去りにされます。
売れない俳優であったり、1人だけアメリカ人であったりするので、立場的にも肩身が狭いのですが、そこに可笑しさと哀れさが織り交ざっています。
食卓では、ドヌーブ演じるファビエンヌに思いっきりディスられてしまうのですが、作中、最もユーモアに包まれたシーンでした。
こんな役柄を演じるイーサン・ホークに、ファンとしては思わずニヤリとしてしまいます。
『ビフォア・サンセット』でも『6才のボクが、大人になるまで。』でも、やたら女性陣に怒鳴られ絶句していた姿を思い出します。
ソフトな雰囲気が情けない役を似合わせてしまっているのかも知れません。
しかし本作では、これまでないほど子煩悩で理想的な父親役を演じているので、ファンはまたも惚れ直してしまうかも知れません。
今回イーサン・ホークの子供との触れ合いシーンは彼の自然体の姿で撮ったらしく、それもまた素顔を見たようで嬉しくなりました。
フランス映画に入り込む日本テイスト
フランス映画と言えば、作家性が強く押し出た芸術的作品が多いです。
難解で退屈な映画をイメージする人も多いのではないでしょうか。
映像は風景やファッション、人物たちが洗練されていて上質な雰囲気が漂います。
交わされる会話は深堀したくなるほど詩的で意味深です。
ゆったりとしたカメラの映し方や間合いは、日本映画と似たものを感じます。しかし日本映画は寄り添いどころを丁寧に見せていきますが、フランス映画は感性を試すようにストーリーが運んでいくので、しばし観客を置き去りにしがちです。
本作は、やはり日本的なものを感じました。
とても丁寧に丁寧に、登場人物の心の変化を追いかけています。
退屈さや、女同士の辛辣さはフランス的なものを感じましたが、とても分かりやすい「家族再生物語」になっていました。
そしてフランス映画の鑑賞後はオシャレな映画を観たなーという充足感を味わえますが、それは本作も同じでした。
フランス映画を日本風に味付けした雰囲気が心地良く、とても気分が舞い上がってきます。
是枝監督の新たな世界観を堪能したい1本です。
⑰機能性ディスペプシアとつわりの吐き気
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⑰機能性ディスペプシアとつわりの吐き気
機能性ディスペプシアの慢性的な吐き気は、つわりと似ています。
つわりは自律神経やホルモンバランスの乱れ、アレルギー反応やビタミン・ミネラル不足が要因と言われていますが、はっきりとしたメカニズムは分かっていません。
一方、機能性ディスペプシアは過度のストレス、加齢、不規則な生活、食生活の乱れ、運動不足、遺伝性などが原因と言われています。
この機能性ディスペプシアとつわりの2つを経験した私ですが、症状は似ているものの吐き気の起き方はやはり違うと感じていました。
今回は吐き気を誘発した食品と、吐き気を軽減させたものの効果をそれぞれ比較してみました。
吐き気を誘発した食品の比較
×…吐き気誘発 △…そのときによって吐き気誘発 〇…吐き気誘発せず
・炭酸飲料 ×
・柑橘系 △
・酸っぱいもの 酢 × 梅干し 〇
・マクドナルドなどのジャンクフード ×
・甘いお菓子 ×
・味の濃いもの ×
・揚げ物 ×
・乳製品 △
・カフェイン ×
×…吐き気誘発 △…そのときによって吐き気誘発 〇…吐き気誘発せず
・炭酸飲料 〇
・柑橘系 〇
・酸っぱいもの 酢 〇 梅干し 〇
・マクドナルドなどのジャンクフード 〇
・甘いお菓子 〇
・味の濃いもの ×
・揚げ物 ×
・乳製品 △
・カフェイン ×
あくまでも私の体験談になりますが、2つを比較すると、つわり時の方が比較的食べられるものが多かったです。
つわり中はスッキリするもの、サッパリするものを食べると気持ち悪さが緩和していくのを感じました。
食べられるものを胃の中に入れることで、症状が落ち着くのがつわりの特徴でした。
一方の機能性ディスペプシアは、胃に負担をかけると症状が強く現われます。
特に胃酸過多には注意が必要です。
食べ物を消化するために胃酸が分泌されますが、過剰に分泌されると吐き気や胃痛、逆流を引き起こしてしまいます。
食べ過ぎや脂ものがNGなのは基本ですが、つわりで楽になった炭酸飲料や酸っぱいもの(酢の物料理やレモン系など)も要注意です。逆に胃酸の分泌を促してしまい、症状を悪化させてしまうことがあります。
そして。
つわり時に私を救ってくれたあのハンバーガーやポテトやナゲットたちが、機能性ディスペプシアになってしまってからは吐き気を誘発させる食品となってしまいました…。
消化に悪いのは確かですもんね…。
(完治に向かっている2021年10月現在は、普通に食べられています)
このように、つわり時は消化に悪いものでも目が欲したものなら基本的にOKですが、機能性ディスペプシアは目が欲しても受け付けませんでした。
寝ても覚めても続く慢性的な吐き気は辛いものです。
この吐き気を軽減させるために、つわり時代と機能性ディスペプシア時代に試したことの効果を比較します。
吐き気を軽減させるものの効果を比較
・六君子湯(漢方) → 服用2~3週間で効果あり
・生姜 → 一時的効果あり
・ミントなどのアロマ → 吐き気軽減
・ツボ刺激 → リリーフバンド効果あり
・ナウゼリン(吐き気予防薬) → 効果微妙
・点滴 → 受けていない
・すっきり飴やガム → 効果微妙
・鍼・灸 → その日1日効果あり
・六君子湯 → 漢方の香りが強くて吐き気誘発
・生姜 → こちらも香りが強くて受け付けない
・ミントなどのアロマ → 吐き気軽減
・ツボ刺激 → リリーフバンド効果大
・ナウゼリン(吐き気予防薬) → 処方なし
・点滴 → 吐き気予防に1日効果あり(ビタミンの点滴です)
・すっきり飴やガム → 一時的効果あり
・鍼・灸 → 受けていない
同じ吐き気でも、やはりつわりと機能性ディスペプシアは種類が違うと思いました。
以前に紹介した「リリーフバンド」(詳しくはこちらの記事をご参考下さい。)はどちらも効果がありましたが、つわり時の方が特によく効いたように思います。
アロマや鍼・灸については、また記事にしていきたいと思います。
次回は、「⑱あと一口の苦しみ」について書きます。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
⑯映画は私を救う その2 『アデル、ブルーは熱い色』
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⑯映画は私を救う その2
映画「アデル、ブルーは熱い色」。
カンヌ映画祭でパルムドールを受賞したということで、鑑賞しました。
この映画は女性同士の恋愛を描いていて、フランス映画特有の生々しさがありました。
やっぱりすごいですね。
かなり官能的な仕上がりになっています。
映画を1つの芸術として見るフランスでは、タブーはほぼないのでしょう。
ミニマムな世界でひたすら「リアル」を追求するので、ドキュメンタリーを観ているような感覚にもなります。
1つのシーンを長回しで撮るのもフランス流です。
3時間という長尺なので、どっぷり映画の世界に浸れました。
そしてそして。
ありました、食事をしている映像。
この映画では、登場人物の内面や家庭環境を食事風景で表現する手法をとっています。その中で、主人公アデルがボロネーゼを食べるシーンが印象的でした。
そのシーンはこんな感です。
アデルは、自宅パーティーで手作りの料理を振舞います。
しかし恋するエマに相手にされず、友人たちが帰った後、ひたすら無心に食べ残ったボロネーゼを食べ続けるというものでした。
もうやけ食いですね。
食べ方も怒りや悔しさが込められているので決してお上品ではありませんが、その見事な食べっぷりは確実に私の食欲スイッチを押してくれました。
いろいろと映画を観てきましたが、こんなに「お腹が空いてくる」映画はありませんでした。
他でもボロネーゼや生牡蠣、チョコバーやワインなど食べたり飲んだりするシーンがあります。
やたらアップで撮られていて、指やナイフを舐めながら食べる音も聞こえ、これもまたフランス映画の生々しさが伝わってきました。
機能性ディスペプシアで食欲不振にあった私ですが、鑑賞した後は早速ボロネーゼを作り、アデルのように貪る(?)ように食べることができました。
「食べたい!」と思う衝動は大切にしたいですね。
もしフランス映画が苦手でなければ、食欲不振の人には特におススメしたい映画です。
次回は「⑰機能性ディスペプシアとつわりの吐き気」について書きます。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
⑮予定が立てられない(機能性ディスペプシア闘病記)
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⑮予定が立てられない
機能性ディスペプシアは、良くなったり悪くなったりを繰り返す病気です。
6年近く患った私にとって、この病気の辛いことワースト3を挙げるなら…
1. 食後に吐き気が襲う
2. 食事が楽しめない、あるいは食事が苦痛に感じてしまう
3. 体調の波があって予定が立てられない
ことでした。
この「3. 体調の波があって予定が立てられない」というのは、家族との過ごし方や人づき合いにも影響してきます。
吐き気に襲われたり、食事が苦痛だったりするので、外出は億劫になります。
外出は「美味しいものを食べる」が目的となっていたりするので、その目的を相手と共有できない自分が申し訳なかったり、情けなかったり、虚しかったりで、とても絶望的に思っていました。
そして吐き気に襲われることを想定してしまうと、なかなか予定を立てる気になりませんでした。
どんなに胃に優しい食事を心がけても、ちょっとしたこと(過労やストレス?)で胃の運動機能が低下してしまうので、明日の体調に保証がありません。
相手に迷惑をかけてしまうのを恐れ、人と約束することをできるだけ避けていました。
しかし4コマ漫画で描いた「友人のまーちゃん」。
独身時代からの古い友人ですが、彼女も持病を抱えている身だったので、自分が機能性ディスペプシアになってしまったこと、体調に波があることをつぶさに伝えていました。
私の状態をよく理解してくれたので、とりあえず久しぶりに会ってみようという話になりました。
漫画でも描いたように完全に甘えてしまっていますが、本当にギリギリまで「行ける」「行けない」のやり取りを交わしていました。
その日は娘と一緒に新宿にあるおもちゃ美術館に行く予定にしていました。
私の自宅からだと、電車を使って1時間くらいの距離にあります。
電車…。
公共交通機関…!
小さな娘(当時4歳)と一緒…。
途中で気持ち悪くなったらどうしよう?
あまり食べられていないから、貧血が起きてしまうかも知れない。
そんな不安でいっぱいでしたが、異変があればすぐに引き返そうという気持ちで向かうことにしました。
電車に乗っていると、不思議と不安感は少しずつ薄れていきました。
ムカムカは続いていましたが、無事目的地に到着することができました。(ここでもリリーフバンドを着用していました。詳しくはこちらの記事にあります↓)
その日はおもちゃ美術館で楽しんだ後、軽いランチをし、特に体調が悪化するはありませんでした。
この外出は機能性ディスペプシアの診断を受けてから、少しだけ私の自信となりました。
それでも人と会う約束や、家族で遠出する予定を組みことにプレッシャーを感じてしまうのは変わりありませんでしたが…。
しかし日常生活を送る上で、逃げることができない人付き合いや、職場での出来事、子供の幼稚園や学校行事などがあります。
100%元気でない状態でそれらを乗り越えるのはとても苦しいもので、結果的に自分を追い詰めてしまいがちです。
この病気はまだまだ認知度が低いですが、自分が機能性ディスペプシアであることを身近な人に話すことで、少しだけ気持ちが楽になったり、予定を立てやすくなることもあります。
時にはスルーされることもあるかも知れませんが、理解してくれる人が1人でも多くいてくれる環境づくりも大切なように思います。
次回は、「⑮映画は私を救う その2」について書きます。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
⑭新薬アコファイド(機能性ディスペプシア闘病記)
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⑭新薬アコファイド
2013年に承認された新薬アコファイド。
これは機能性ディスペプシア患者のために開発されたお薬です。
処方には注意点があります。
・2年以内に胃カメラ検査を受けていること
・胃潰瘍やがんなどの病気がないこと
アコファイドの効果
人の体の中には、消化管(胃や腸)の運動を活発にするアセチルコリンという物質があります。このアセチルコリンを分解してしまうアセチルコリンエステラーゼという酵素の働きが
消化管の運動を阻害していると考えられています。
新薬アコファイドは、アセチルコリンエステラーゼの働きを抑え、消化管(胃や腸)の運動を促してくれます。
しかしみぞおち辺りの痛み(心窩部痛)や、みぞおち辺りの焼ける感じ(心窩部灼熱感)の症状には効果はありません。
食後膨満感、上腹部膨満感、早期満腹感について効果を発揮してくれます。
アコファイドは効かない!?効果は?
ネットでアコファイドの存在を知ったとき、食欲不振に陥っていた私は「これこそ求めていた薬だ!」と思い、胃腸内科の先生に相談しました。
アコファイドの処方は先に書いたようにいろいろと縛りがあるため、それだけに何だか特別なお薬のような気もしていました。
だけど先生には
「効く人には効くけど、あまり効かないんだよね」
と言われてしまいました…。
何てことでしょう。
それでも私はアコファイドの効果を信じました。
いつものお薬の中に、追加された新薬アコファイド。
1日3回の服用が始まりました。
しかし…。
「これだ!」というような劇的効果は、やはり感じませんでした。
飲まないよりはいいのかな、というのが正直な感想です。
でも私は、何故かこのアコファイドへの信仰が強かったので、症状が酷くなったときは必ず飲むようにしていました。
機能性ディスペプシアの治療薬
前回の4コマ漫画「⑬機能性ディスペプシア診断」の記事で少し書きましたが、機能性ディスペプシアだと診断されたからと言って、処方されるお薬は特に変わりませんでした。
私が当時処方されていたお薬です。
まさに胃腸薬のフルコースですね。
消化管の運動機能を改善する薬は、最初ガナトンでしたが、漫画で描いたようにアコファイドに変わりました。
漢方についてはそのときの症状で変わりますが、六君子湯はずっと処方されていました。一番効果があったように思います。(これについても今後書きますね)
このように胃の不調で処方されるお薬も、機能性ディスペプシアの診断で処方されるお薬もほぼ変わりません。
個人差はありますが、機能性ディスペプシアの決定的な治療薬は、まだありません。
機能性ディスペプシアは自律神経の乱れ?
そもそも機能性ディスペプシアは自律神経が大きく影響しているとも言われています。
ストレスや加齢、不規則な生活などで乱れてしまった自立神経が消化管を刺激し、胃酸過多の状態となり、胃の機能低下を引き起こすと考えられています。
そして一度胃を壊してしまうと、元の状態に戻るのに時間がかかります。
回復傾向にあっても、少し無理をした食事(消化に悪い食事や多めの食事量)や、生活(ストレスや疲れ)などが重なると、あっという間に逆戻りしてしまうのが機能性ディスペプシアの厄介なところです。
機能性ディスペプシアは良くなったり悪くなったりを繰り返すんですよね。
機能ディスペプシア最近の様子
2021年10月現在。
私の機能性ディスペプシアの症状は、半年以上、ほぼありません。ときどきストレスを感じると吐き気のある日は起きますが、すぐに消失しています。
ただ、再発にはいつも脅えています。
自律神経を乱さないことが一番の予防につながると思うので、まだ試行錯誤中ではありますが、そんなことを心がけながら過ごしています。
今回は長々と機能性ディスペプシアの治療や、処方されたお薬を自分なりに調べてまとめてみました。
今後は機能性ディスペプシアに悩む日常を切り取って、同じ症状に苦しむ人の「あるある」や民間療法などを中心に記事にしていきたいと思います。
次回は、「⑮予定が立てられない」について書きます。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
⑬機能性ディスペプシア診断
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⑬機能性ディスペプシア診断
胃の不快症状(吐き気、食欲不振)は、病院に通っていても特に病名がつくわけでもなかったので、私は何だか「気のせい」「心の問題」と片付けられているような気がしました。
そもそも「機能性ディスペプシア」という正式な診断名が承認されたのも、日本では2013年になります。
私が2015年頃に胃の不快症状についてネット検索しても、まだ認知度が低く、なかなかこの病名に辿り着きませんでした。
そのため、半年以上「よく分からない」状態のまま、薬と通院を続けていました。
そんな日々を送る2016年になってからのこと。
ある日「機能性ディスペプシア」というワードをネットで見つけ、症状を見て「これだ!」と深く自覚したのを思い出します。
胃腸内科の先生に聞くと、ピロリ菌検査も陰性で症状が長く続いているということで「間違いないだろう」と言われました。
先生の中ではすでに診断名がついていたのかも知れません。
この機能性ディスペプシア診断ですが、実はとても時間がかかります。
機能性ディスペプシアの診断基準
機能性ディスペプシアの診断には、胃カメラや血液検査、腹部CTや超音波などの検査をしても、胃の粘膜などに大きな異常が認められていないことが前提となります。
そして下記症状のうち、1つ以上の症状が6カ月以上前に始まり、3カ月以上(週に3日以上)続いている状態のときに診断されます。
(1)みぞおち辺りの痛み(心窩部痛)
(2)みぞおち辺りの焼ける感じ(心窩部灼熱感)
(3)食後の胃もたれ
(4)早期満腹感(食事開始後すぐに満腹と感じ、最後まで食事を摂取できない状態)
私は食後の胃もたれ、吐き気、早期満腹感が慢性的にありました。胃痛などは最初だけでした。
機能性ディスペプシアは胃炎とは異なる
2013年に診断名が承認されるまで、機能性ディスペプシアは長らく「慢性胃炎」と同じ分類にされてきました。
しかし慢性胃炎は胃に炎症がある状態のことを言います。
この炎症は主にピロリ菌に感染していることで引き起こされるので、慢性胃炎の治療はピロリ菌除去から始まるのが基本です。
併せて、ピロリ菌によって炎症してしまった粘膜を改善させるために、胃酸を抑える薬や粘膜保護の薬が処方されます。
しかし機能性ディスペプシアは、そもそも胃の粘膜に大きな異常が認められません。
処方されるの薬は、胃の働きが低下してしまったことを改善するために、胃酸を抑える薬、消化管の運動機能を改善する薬を中心に処方されていきます。
機能性ディスペプシアの原因についてですが、過度のストレス、加齢、不規則な生活、食生活の乱れ、遺伝性(胃の形状など)が考えられています。
≪慢性胃炎≫
症状:主に胃もたれ・胃痛・吐き気・胸焼け
原因:主にピロリ菌
治療薬:ピロリ菌を除去する抗生物質、胃酸を抑える薬、胃の粘膜保護薬が中心
≪機能性ディスペプシア≫
症状:主に胃もたれ・胃痛・吐き気・胸焼け・早期満腹感
原因:過度のストレス、加齢、不規則な生活、食生活の乱れ、遺伝性など
治療薬:胃酸を抑える薬、胃の粘膜保護薬、消化管の運動機能を改善する薬、抗うつ薬、抗不安薬、漢方など
4コマ漫画で、先生が「治療法が変わらない」と言った言葉の意味は次回の4コマに続きます。
次回は、「⑭新薬アコファイド」について書きます。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
⑫ぶり返す(機能性ディスペプシア闘病記)
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⑫ぶり返す
※少し記事の投稿が空いてしまったので、振り返りです。
2015年8月に発症した機能性ディスペプシア。
胃カメラ検査をしても大きな異常を認められず、安心して普通量の食事に戻していくと再び胃の不快症状(吐き気、食欲不振)が深刻化してきました。
そこから胃腸内科の病院に通い、胃薬を飲み続け、またこんにゃく湿布(ヨガや軽い運動も含む)の民間療法を試すと、少しずつ症状が緩和されていきました。
しかし2016年1月。
またも再発してしまいました…。
今振り返ると、やはりストレスが一番の要因だったように思います。
若いときは平気だったストレスも、年齢と共に体が受け止められなくなってしまったのかも知れません。
ストレスは病気を引き起こします。
そして、その人の一番弱い部分に現れるとも言われています。
頭痛や耳鳴り、動悸や目まい、睡眠障害など症状は様々ですが、私の場合は消化器系に現れてしまったようです。
今思えば、学生時代も受験や人間関係などのストレスを感じると、食欲をなくしたり、お腹を壊すタイプではありました。
そのため、胃腸を労わる食事を日頃から心がけていたと思います。
暴飲暴食なんてもってのほか。
脂っこいものもあまり好みません。
私が好きなものは、いつだってサッパリとして、味の薄いものでした。
お肉だって牛や豚より、鶏が好き。
パスタよりうどん派、お米よりパン派です(パンの方が消化がいいんですよ)。
そうやって食にある程度気を遣っていたとしても、ストレスはそれ以上に胃に負担をかけてしまうだと分かりました…。
次回は、ついに「⑬機能性ディスペプシア診断」について書きます。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
ハロウィンはティム・バートン映画がおすすめ!子供と楽しむ5作品
10月といったらハロウィン!
おうち時間でハロウィンをもっと楽しみたいとき、映画は何より気分を盛り上げてくれますよね。
ハロウィン映画はいろいろありますが、中でも私が大好きなティム・バートン監督はハロウィン向けな作品を多く送り出しています。
ティム・バートンと言えば、独創的でちょっと不気味ですが、夢仕掛けのストーリーは未知なるファンタジー世界へと誘ってくれます。
今回は、そんなティム・バートン作品の中から、子供と一緒に楽しめるハロウィンに打ってつけな映画5本をご紹介します。
ぜひおうちハロウィンを楽しんでみて下さい。
ナイトメアー・ビフォア・クリスマス
1993年製作/76分/アメリカ
<あらすじ>
ハロウィンタウンの人気者ジャックが、ツリーの扉を開けた瞬間、クリスマスカラーの色鮮やかな町を目の当たりにします。そこは楽しさと喜びで溢れたクリスマスタウンでした。見たことのない世界にすっかり魅せられたジャックは、ハロウィン風クリスマスを演出しようと奮闘しますが…。
<見どころ>
大人から子供まで楽しめるハロウィンとクリスマスを掛け合わせた本作は、今から28年前に製作されました。
当時の最新技術を駆使して作られたストップモーションアニメですが、今観ると手作り感が味わい深くノスタルジックな雰囲気が漂っています。
小さな子供が見たら「ちょっと怖い」と薄気味悪さも感じるかも知れません。そもそもハロウィンタウンはスリル大好きな奇人が集っているので、異様な空気に満ちています。
それでもこの映画が陽気なのは、ジャックの「みんなを喜ばせたい!」という無邪気な探求心がモチーフになっているところでしょう。
手足がひょろっと長く、タキシードを着た骸骨顔のジャックは、表情や感情が豊かで生き生きとした姿で駆け回ります。
最悪の事態を招いてしまうジャックですが、彼の胸の内が歌に込められ、全体的にハートフルな仕上がりになっています。
どこか退廃的でありながらも、楽しく奇妙なストーリーは、今でも多くのファンの間で語り継がれる名作です。
ハロウィンの特別な夜に、楽しみたい1本です。
ディズニーランドのホーンテッドマンションでジャックを知っていたから、怖くなかったよ
チャーリーとチョコレート工場
2005年製作/115分/アメリカ
<あらすじ>
チョコレート工場に招待された幸運な5人の子供たち。扉を開けた瞬間、チョコレートの芳醇な香りに満ちたカラフルで幻想的な空間が待ち受けていました。
案内人は工場長ウィリー・ウォンカ(ジョニー・デップ)。子供たちをにこやかに歓迎しながらもときどき毒づいたりし、見た目も中身も一風変わっています。実はウィリーが密かな計画を企てていたことに誰も知る由もありませんでした…。
<見どころ>
ストーリーの要となるのが工場長ウィリーです。
彼の言動がとにかくおかしく、良い人なのか悪い人なのか、観ていると微妙すぎて戸惑うかも知れません。
そんなウィリーは子供時代、ハロウィンでチョコレートに魅せられたのをきっかけに大きなチョコレート工場を作ることになったのです。しかしふっと挟み込まれる彼の子供時代の思い出が苦々しく、家族に対してトラウマを抱えているのが分かります。
一方、招待された子供たちは主人公のチャーリー以外は皆したたかで、大人を見下しています。その傲慢さに見合う罰が、ウンパ・ルンパの歌と共に大きな見せ場となっていきます。ある意味、ティム・バートン監督が子供たちへ警告を鳴らしているとも言えるべき展開かも知れません。
チョコレート工場の内部では、大きなチョコレート川のある庭園があります。草や植物、モニュメント等はすべてチョコレートで出来ているという設定になっていますが、何と実際もパティシェがチョコレートで作ったというから驚きです。
ナッツを仕分けるリスも、半年調教した本物のリスです。
随所にティム・バートン監督がこだわった世界観を存分に堪能することができます。
ハロウィンの季節に、心躍らせながら親子で楽しみたい1本です。
主人公のチャーリーが家族思いで感動したよ
コープスブライド
2005年製作/77分/イギリス
<あらすじ>
気弱だけど優しい主人公ビクターが結婚前夜の森の中、ひょんなことからコープスブライド(死体の花嫁)、エミリーと出会います。プロポーズされたと勘違いしたエミリーは、ビクターを死者の世界に連れていき、結婚式を挙げようとしますが…。
<見どころ>
死者の世界は最初こそ不気味で、オカルト的な印象を持つかもしれません。
骨がポキポキ折れたり、目玉が飛び出たり、体が真っ二つに分かれたりと視覚的に遊び放題で、ティム・バートン監督らしい奇抜さに溢れかえっています。
陰鬱なイメージの死者の世界ですが、そこの死人たちは晴れやかに歌って暮らし、何もかも吹っ切れたように満たされていました。
色見のない映像が一転、カラフルで可愛らしい世界が広がります。
それと対比するように、生者の人々は金や名誉に執着し、おぞましい顔を覗かせて暮らしています。
そのせいか、生者と死者の間を行き来する主人公やエミリーのピュアさが引き立ち、とびっきり魅力的なキャラクターへと映り込みます。
全体的にストーリーはおどろおどろしさが滲み出ていますが、ミュージカル仕立てなので子供と一緒に楽します。
異形なものへの愛に寄り添う、ティム・バートン監督ならではの心温まるラストが見逃せません。
怖いシーンもあったけど、クモがお裁縫してくれるところが面白かったよ。
ジョニー・デップの気弱な主人公を演じた声の出演も見どころです。
シザーハンズ
1990年製作/105分/アメリカ
<あらすじ>
孤独な老発明家によって作り出された人造人間のエドワード(ジョニー・デップ)。もう少しで完成というところで老発明家は急死し、両手がハサミのまま置き去りにされてしまいました。
そんな不気味な姿をしたエドワードですが、キム(ウィノナ・ライダー)と出会ったことで自分の居場所を見つけます。キムもエドワードの純粋で心優しい性格に惹かれていきますが、人造人間に嫌悪感を持つ者たちがエドワードに忍び寄り…。
<見どころ>
ティム・バートン監督とジョニー・デップという黄金コンビが誕生した記念すべき作品です。
ティム・バートンのオリジナル感あふれる映像センスが光り、ダークファンタジーならではの奇妙でメルヘンチックな世界が見物です。
カラフルな家並み、雪の舞い散る幻想観、エドワードが庭木の剪定や氷の像を完成させたときに見る風景の明るさや美しさに、思わずうっとりします。
特殊メイクを施したエドワードを演じるジョニー・デップは、物憂げな表情やぎこちない動きで人造人間の悲壮感を漂わせています。
今や大スターとなったジョニーデップですが、当時の垢ぬけない純朴さがエドワードと重なり、作品をより清らかなものに仕上げています。
儚くも美しいラブストーリーは、子供心にも大きな感動を与えてくれます。
エドワードは、ハロウィンで仮装されたりもしますね。
アリス・イン・ワンダーランド
2010年製作/109分/アメリカ
<あらすじ>
「不思議の国のアリス」から13年後のストーリーで、19歳になったアリスが再びワンダーランドに迷い込みます。今起きていることは子供の時から見続けている悪い夢だと信じ、
赤の女王と決闘に挑むことになりますが…。
<見どころ>
大人になったアリスが主人公なので、子供だった頃の好奇心旺盛さや冒険心がありません。
自分がワンダーランドの救世主になることを拒むアリスの等身大な姿は、これまでと違った親近感を持てます。
かつて「不思議な国のアリス」で登場した消える猫や白ウサギ、青虫やマッドハッター(ジョニー・デップ)達も健在で、ストーリーを知っている人はワクワクすることでしょう。
何より面白いのが、赤の女王(ヘレナ・ボナム・カーター)です。
頭でっかちで奇抜な風貌や、悪巧みな表情、滑稽な動作はヘンテコ感たっぷり。暴君ぶりを発揮していますが、どこか哀れさを感じてしまうところはティム・バートンらしい味付けを滲ませています。
そして目を見張るほど色鮮やかなワンダーランドの世界。
この可愛く幻想的なキラキラ感は、大人も子供も魅惑的で高揚感に包まれていきます。
赤と白の女王の決戦も壮大感あふれています。
ダークさは控えめにしてあるので、これまでティム・バートン作品に「怖さ」を感じてしまう人も安心して楽しめる作品です。
ハロウィンの夜に、ファンタジックな世界にぜひ酔い痴れてみて下さい。
マッドハッターのダンスが面白かったよ。
こちらもおススメ!
ティムバートン作品以外にも家族で楽しめるハロウィンおススメ映画があります!
こちらでは映画を観ながら英語教育を取り入れているTwinklさんの記事です。
多くのジャンルの中から11作品をご紹介しているので、ぜひお子さんと一緒に楽しいハロウィン映画を見つけてみて下さい♪
https://www.twinkl.jp/blog/halloween-theme-movie-for-families-infographic
⑪民間療法を試す【こんにゃく湿布】(機能性ディスペプシア闘病記)
はじめての方はこちらをご覧下さい。
⑪民間療法を試す【こんにゃく湿布】
胃の不快症状(吐き気、胃痛、早期満腹感)を少しでも緩和させたく、私はいろいろな民間療法を試しました。
最初に試したのがこんにゃく湿布です。
実はこのこんにゃく湿布には、さまざまな効果があるとされています。
【こんにゃく湿布の作り方】
<用意するもの>
・こんにゃく・・・1~2丁
・てぬぐい、もしくはフェイスタオル…2~3枚程度
<作り方>
① こんにゃくを15~30分程度茹でる。
② 乾いたタオル2~3枚で包む。
こんにゃくを30分茹でれば、温かさは1時間持続しますよ。
【こんにゃく湿布の使い方】
<使い方>
①タオルに包んだこんにゃくを、肝臓(右わき腹)や腎臓(腰のくびれより少し上の背骨の両脇)、丹田(おヘソより少し下辺り)に当てる。
②10~30分、じんわり患部を温める。
③少しずつこんにゃくが冷めてくるので、包んだタオルを調整しながら剥がしていく。
④終わった後は冷えたタオルでサッと患部を拭く。(温→冷でより効果を高めます)
⑤使用したこんにゃくは10回ほど再利用できるので、水に浸して冷蔵庫に保管する。浸した水は2~3日に1回取り換える。
※体の毒素を吸収しているので、絶対に食べないように注意!
茹でたばかりのこんにゃくはとても熱いので、火傷に気を付けてくださいね。
最初は短い時間から慣らしてみてください。
【こんにゃく湿布の効果】
こんにゃくは古くから「からだの砂おろし」「腸の砂おろし」と呼ばれ、体の毒素を吸いだす働きをしてくれます。
こんにゃく湿布でじんわり体の内側が温められることで、血液の循環を促し、内臓を働きを活発化してくれます。
特に臓器の要とされる肝臓と腎臓、丹田辺りにこんにゃく湿布を当てると、疲労回復や病気症状を改善してくれることが期待されています。
主に胃腸病、冷え、生理痛、風邪、便秘、ガン、高血圧、肝臓病、腎臓病、糖尿病、免疫アップなどに効くと言われています。
またリラックス効果もあり、寝る前に行うことで睡眠の質も高めてくれます。
【私のぶっちゃけ体験談】
私は大体20分を目安にこんにゃくを茹でていました。
漫画ではこんにゃく1丁ですが、実際は2丁使用し、丹田と肝臓辺り、胃の辺りをずらしながら当てていました。
とにかく熱いので、同じところを当てていると耐えられなくなってきます(苦笑)。
タオルを多めに巻けばいいのですが、それではこんにゃくパワーが届かないように思えたので、2~3枚の薄手のタオルでグッと我慢しました。
こんにゃく湿布は少しずつ冷めていくので、それに合わせてタオルも剥がしていきます。
ぐるぐる巻きにしたこんにゃくが、薄手のタオル1枚になるまで行うようにしていました。
このこんにゃく湿布の体の温まり方は、絶大です。
いつか書こうと思っている「ペットボトル温灸」や「あずきカイロ」より、温かさが持続します。
夏は着替えも必要なくらい、かなり発汗しました。
ただ、こんにゃく湿布は手軽♬なんて言われていますが、20分茹で続けるのは意外と面倒だったりします。(茹でこぼしたりしますからね)
使用後のタオルが洗濯物を増やしてしまうのも難点ですし、仰向けになって行わなければなりません。
私の正直な感想としては、「ペットボトル温灸」や「あずきカイロ」の方が手軽で続けやすいと思いました。
肝心の効果ですが、こんにゃく湿布を2~3日続けると、胃痛がなくなりました!
胃腸機能が整い、不快症状が緩和されたのは確かです。
また、女性には嬉しい生理痛には、とても効果がありました。
寝る前に行ったことがないので睡眠に効果があったのかは実証できませんでしたが、体が温まってリラックスできるので期待できると思います。
もしこんにゃく湿布の用意が面倒でなければ、ぜひおススメします。
びわの葉と同じくらい、こんにゃく湿布は体の毒素を排出すると言われている民間療法です。
私はこんにゃく湿布を続け、だいぶ体調が整ったところで辞めてしまいました。
この後わりと体調の良い日が続いたので、次回はこの漫画から数か月後のお話になります。
体調が再び悪くなってきた頃に起きた出来事から始まります。
次回は、「⑫ぶり返す」について書きます。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
⑩映画は私を救う その1(機能性ディスペプシア闘病記)
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⑩映画は私を救う その1
私は映画が好きです。
特にミニシアター系の映画が好きで、20代の頃(はるか遠い昔…)は会社帰りにミニシアターに寄るのを楽しみに過ごしていました。
人があまり好まないような作品を観ていたので、1人で観に行くことが多かったです。
もちろん、ハリウッドの大作映画もよく観ています。
夫くんとの共通の趣味は「映画」なので、週末の夜は2人で映画を観るのが日課でした。
しかし機能性ディスペプシアを発症してから食後の吐き気がつらく、映画鑑賞をする元気も日々なくしていました。
「途中で辞めていいから観よう」
と夫くんに言われ、当時の私は気乗りせず観る、という感じでした。
大好きな映画に対してそんなモチベーションになってしまうなんて、悲しいことですね。
だけど、映画を観ていくうちにだんだんと映画世界に没頭し、吐き気のことをすっかり忘れていきました。
漫画でもあるように、このときに観た映画の序盤はほとんど覚えていません(苦笑)。
でもラストを迎える頃にはすっかり元気に、という流れが定着していました。
(もちろん症状がひどいときは、それこそ映画も観ずに寝てしまうのですが…。)
機能性ディスペプシアは、ストレスが症状を悪化させるとも言われています。
私にとって大好きな映画は、良いストレス発散となっていたのでしょう。
毎回、映画を鑑賞している間に胃のムカムカが軽減、もしくは消失していきました。
不思議ですね。
やっぱり心と体は繋がっているんだな、と思いました。
ただ、映画をずっと観ているわけにもいかないので、また翌日になるとムカムカとした症状が現れるのですが…。
まだまだつらい症状と格闘する日々は続きます。
「私と映画」は、シリーズ漫画にしながら、また描きたいと思います。
次回は「⑪民間療法を試す【こんにゃく湿布】」について書きます。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
⑨祝!ステーキが食べられるようになる(機能性ディスペプシア闘病記)
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⑨祝!ステーキが食べられるようになる
胃カメラ検査から2か月ほど。
淡白な食事(和食系)を続けていくうちに、症状は少しずつ回復傾向にありました。それでも食後のムカムカは食事内容によって襲ってくるので、脂っこいものは避けていました。
しかし結婚記念日。
毎年少しオシャレなレストランでお祝いしていたので、この年はステーキ屋さんに行くことにしました。
(本当はフレンチやイタリアンが良かったのですが、コース料理を食べる自信がなく、単品で頼めるステーキ屋さんにしました。)
実際ステーキは半分ほどしか食べれなかったのですが、この日は食後のムカムカも襲ってきませんでした!
ただデザートのケーキは、胃の消化が不安だったので食べずに諦めました。
お祝いでケーキが食べれないのは残念でしたが、漫画的には面白い展開になったかも知れませんね。
それでも久しぶりに牛肉を食べられた感動を残したくて、ケーキでなく牛肉を漫画に描きました。
私のこれまでの症状は、①~⑨まで漫画で描いたような経過を辿っています。
胃の不快症状が発症 → 胃カメラ検査 → 軽い胃炎の診断 → 食事を頑張って食べてみる → 症状悪化 → 食事内容や量を制限 → 少しずつ食べられる食品を増やす → 食事内容によって吐き気が襲ったり、良かったりの日々が続く
さて、次回は「⑩映画は私を救う その1」について書きます。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
⑧胃腸内科の先生(機能性ディスペプシア闘病記)
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⑧胃腸内科の先生
胃カメラ検査から1か月後、口コミで人気のある胃腸内科の病院に通い始めました。
胃腸専門病院ではありませんでしたが、消化器病学会専門医の資格のある先生で、内視鏡検査も実施していました。
そこにいる先生はとにかく明るく、いつも笑顔で話しかけてくれました。
2回目からの診療では、診療室に入るや否や
「食べれるようになった?」
と挨拶代わりに聞いてきてくれ、私のことをよく覚えていてくれました。
「食べたら気持ち悪くなるから、あまり食べられていないんです」
「こんなに薬をたくさん飲み続けていて大丈夫でしょうか?」
と、クヨクヨ悩む私をいつも一蹴し、
「大丈夫だよ」
「今は気にしない」
を口癖にして、気持ちを楽にしてくれました。
とても人気のある病院でしたがネット予約ができず、行けば最低でも2時間は待つことになります。
それでも先生の「大丈夫」が聞きたくて、通い続けました。
しかしお薬の処方は、最初に診てもらった内科と同じではあったのですが…。
(薬の内容については後日書きますね。)
そして、ここでもまだ「機能性ディスペプシア」の診断を受けていませんでした。
実は機能性ディスペプシアの診断は、症状が3か月~6か月以上続くことが診断基準とされています。
当時の私はまだまだ「よく分からない胃の不快症状」で悩まされ続けていました。
機能性ディスペプシアの詳しいことを書きたいのですが、漫画を時系列にしているので、もう少し後になります。
次回は「⑨祝!ステーキが食べられるようになる」について書きます。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
⑦吐き気予防最強お守り(機能性ディスペプシア闘病記)
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⑦吐き気予防最強お守り
リリーフバンド
この存在を知っている人は、ほとんどいないかも知れません。
そもそも私が購入したのは2011年。(当時妊娠2か月)
嘔吐恐怖症の私はつわりが恐ろしく、でも妊娠中は吐き気止めの薬は服用できないため、どうにかならないかと調べ上げたところ、ネットで見つけました。
まだAmazonや楽天でも取り扱いがない米国製品のため、個人輸入している専門サイトで購入しました。
このリリーフバンド、アメリカでは抗がん剤の副作用や、つわり、頭痛や二日酔いの吐き気予防の医薬品として認可されています。
使い方はとても簡単です。
手首の下にある内関というツボが当たるように、このリリーフバンドをマジックテープで巻き付けます。
電源を入れると、ピリピリとした電気がツボを刺激し、吐き気を抑えてくれます。
もともと内関は、「乗り物酔い、つわり、胃の不快感、頭痛、不安や緊張を抑える」 ツボとして知られています。
つまり、ストレスからくる吐き気にも効果を発揮してくれるんです。
電気は5段階調整でき、1は弱め、5はかなり激しくツボ刺激をしてくれます。
つわりの効果は!?
つわりが最もひどいとされる妊娠3~5か月ですが、このリリーフバンドのおかげで、何と妊娠から出産まで吐くことはありませんでした!
つわりは波がありますが、それに合わせて強さを調整しました。
「もうダメ~!」
と思ったときも、刺激の強さマックス5にし、しばらく耐えていると吐き気が軽減していきました。
お値段はとても高かったですが、当時の私にはそれ以上のものを感じました。
リリーフバンドは、ずっと電源を入れっぱなしでも大丈夫なほど、体への副作用はありません。
何しろアメリカの産婦人科医では薬代わりに処方するくらいですからね。
強いて言えば、皮膚の接触刺激でしょうか。
私は問題ありませんでしたが、人によっては装着部分がかぶれてしまう人もいるようです。
機能性ディスペプシアになってから
胃を壊してから、再びお世話になったリリーフバンド。
すっかり存在を忘れていましたが、棚の奥に保管してあったのを思い出し久しぶりに装着しました。
やっぱり効果てきめん!
リリーフバンドをしていると、だんだんと吐き気が軽減されてきました。
機能性ディスペプシアを発症したころは四六時中吐き気がしていたので、外出時はいつも装着するようにしました。
ただこのとき、アップルウォッチが発売された2015年でした。
リリーフバンドは、一見アップルウォッチかと見間違えるような作りです(笑)。
でもよく見れば全然違いますし、時計とも違います。
リリーフバンドを知らない通りすがりの人は、不思議がっていたかも知れません。(旦那談)
私が当時購入したときはもう少し安かったのですが、今は少し高くなっていました。
とりあえずリンクを貼っておきまね。
どんなものか、ぜひ参考にしてみて下さい。
吐き気止めに効果があるのはお墨付きです。
また、リリーフバンドの効果より落ちますが、「酔い止めバンド」もあります。
こちらはお求めやすく、昔からある商品です。
車酔い、船酔い、飛行機酔い、さらにつわりの軽減にも効果があると国内外の研究機関で認められています。
機能性ディスペプシアが改善している今の私は、不安なときはこちらのバンドを愛用しています。
これなら、アップルウォッチに間違えられる心配もありません(笑)。
次回は「⑧胃腸内科の先生」について書きます。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
⑥私の夕ご飯(機能性ディスペプシア闘病記)
はじめての方はこちらをご覧下さい。
⑥私の夕ご飯
しばらく私の夕ご飯は「ウィダーinゼリー」と「バナナ」でした。
ウィダーinゼリーは、1つでおにぎり1個分のエネルギーが補給できます。
種類によっては1日分のビタミンや、ミネラルを配合されたものがあり、病前病後にも最適な補助食品として認知されています。
特に固形物が喉を通らないとき、この滑らかなゼリーの食感はスルスルと喉に入っていき、非常に食べやすく助かりました。
今はもも味やマンゴー味など、フルーツ食感のものも発売されているようです。
常温でも保存できるので、常備しておくと便利かも知れません。
私はこの漫画の少しあと、サプリやウエハース、カロリーメイトなんかを足していったりしました。(最初はそれでも吐き気を催していましたが…。)
朝はパンを少量、果物(酸味があるものがダメだったので基本バナナorりんご)、お茶。紅茶などのカフェインは受け付けませんでした。
昼は煮込みうどんやおかゆを食べていました。
その後、処方された胃薬を飲み続け、消化がよく少量の食事をしていくうちに少しずつ食べられる食品も増えてきました。
一度にたくさんの量を食べず、1日4食や5食に分けるのもいいようです。
胃の調子が良くないときに避けるべきものは…
・脂が多いもの
・酸味の強いもの
・辛いもの
・味の濃いもの
これらを避け続けるうちに消化機能が少しずつ回復していきます。
しかし機能性ディスペプシアを発症してしまうと、またすぐに再発(それも悪化)してしまうので、私はこのいつまで続くか分からないこのループを繰り返していました。
次回は「⑦吐き気予防最強お守り」ついて書きます。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。