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⑮予定が立てられない
機能性ディスペプシアは、良くなったり悪くなったりを繰り返す病気です。
6年近く患った私にとって、この病気の辛いことワースト3を挙げるなら…
1. 食後に吐き気が襲う
2. 食事が楽しめない、あるいは食事が苦痛に感じてしまう
3. 体調の波があって予定が立てられない
ことでした。
この「3. 体調の波があって予定が立てられない」というのは、家族との過ごし方や人づき合いにも影響してきます。
吐き気に襲われたり、食事が苦痛だったりするので、外出は億劫になります。
外出は「美味しいものを食べる」が目的となっていたりするので、その目的を相手と共有できない自分が申し訳なかったり、情けなかったり、虚しかったりで、とても絶望的に思っていました。
そして吐き気に襲われることを想定してしまうと、なかなか予定を立てる気になりませんでした。
どんなに胃に優しい食事を心がけても、ちょっとしたこと(過労やストレス?)で胃の運動機能が低下してしまうので、明日の体調に保証がありません。
相手に迷惑をかけてしまうのを恐れ、人と約束することをできるだけ避けていました。
しかし4コマ漫画で描いた「友人のまーちゃん」。
独身時代からの古い友人ですが、彼女も持病を抱えている身だったので、自分が機能性ディスペプシアになってしまったこと、体調に波があることをつぶさに伝えていました。
私の状態をよく理解してくれたので、とりあえず久しぶりに会ってみようという話になりました。
漫画でも描いたように完全に甘えてしまっていますが、本当にギリギリまで「行ける」「行けない」のやり取りを交わしていました。
その日は娘と一緒に新宿にあるおもちゃ美術館に行く予定にしていました。
私の自宅からだと、電車を使って1時間くらいの距離にあります。
電車…。
公共交通機関…!
小さな娘(当時4歳)と一緒…。
途中で気持ち悪くなったらどうしよう?
あまり食べられていないから、貧血が起きてしまうかも知れない。
そんな不安でいっぱいでしたが、異変があればすぐに引き返そうという気持ちで向かうことにしました。
電車に乗っていると、不思議と不安感は少しずつ薄れていきました。
ムカムカは続いていましたが、無事目的地に到着することができました。(ここでもリリーフバンドを着用していました。詳しくはこちらの記事にあります↓)
その日はおもちゃ美術館で楽しんだ後、軽いランチをし、特に体調が悪化するはありませんでした。
この外出は機能性ディスペプシアの診断を受けてから、少しだけ私の自信となりました。
それでも人と会う約束や、家族で遠出する予定を組みことにプレッシャーを感じてしまうのは変わりありませんでしたが…。
しかし日常生活を送る上で、逃げることができない人付き合いや、職場での出来事、子供の幼稚園や学校行事などがあります。
100%元気でない状態でそれらを乗り越えるのはとても苦しいもので、結果的に自分を追い詰めてしまいがちです。
この病気はまだまだ認知度が低いですが、自分が機能性ディスペプシアであることを身近な人に話すことで、少しだけ気持ちが楽になったり、予定を立てやすくなることもあります。
時にはスルーされることもあるかも知れませんが、理解してくれる人が1人でも多くいてくれる環境づくりも大切なように思います。
次回は、「⑮映画は私を救う その2」について書きます。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。